麦の需給に関する動向
1. 食生活における麦の位置付け
1-1. 麦の主な用途
麦は、我が国の食生活において、パン、麺、菓子、みそ、主食用(麦飯)等、多様な用途で使用されています。
原料として使用される小麦の種類は、小麦粉の種類・用途に応じて異なっています。小麦粉の種類は、たんぱく質の含有量によって強力粉(パン用)、準強力粉(中華麺用)、中力粉(うどん用)、薄力粉(菓子用)等に分類されています。
また、二条大麦は、ビールや焼酎、六条大麦は、主食用や麦茶、はだか麦は、主食用やみその原料になります。
1-2. 食料消費において麦が占める割合
平成29年度のカロリーベースの食料自給率は38%であり、小麦については、14%となっています。
2. 麦の流通の概要
麦は需要量の約9割を外国産麦の輸入で賄っています。
国内産食糧用麦は民間流通により取引されており、外国産食糧用麦は政府が国家貿易により計画的に輸入し、需要者に売り渡しています。
また、米とは異なり、最終的にパンや麺として消費されるため、流通過程において各種の加工工程を経ています。
2-1. 小麦
小麦は、主に、製粉企業が製粉して小麦粉にし、その小麦粉を原料として二次加工メーカーがパン、麺、菓子等を製造します。
2-2. 大麦及びはだか麦
大麦及びはだか麦は、精麦して、焼酎、みそ等の発酵用にしたり、蒸気で加熱、圧ぺんして、押麦(麦飯)用にするといった加工工程を経て流通しています。
なお、国内産ビール大麦は、生産者団体とビール会社の間で契約栽培により供給され、麦芽等に加工されて流通しています。
3. 穀物の国際需給と国際価格の動向
3-1. 穀物の国際需給の動向
- 世界の中長期的な穀物の国際需給は、
- ア総人口の継続的な増加、緩やかな所得水準の向上等に伴う新興国及び途上国を中心とした食用・飼料用需要の増加
- イ供給面では、収穫面積の伸びがほぼ横ばいとなるものの単収増による生産の増加
等により、需要と供給はほぼ拮抗すると見込まれています。
※ 農林水産政策研究所「2028年における世界の食料需給見通し」(平成31年3月) - 2018/19年度(平成30年度)の穀物の国際需給は、消費量が生産量を3千4百万トン上回ることが見込まれています。このため、期末在庫率はやや低下し、29.5%(対前年▲1.8ポイント)となることが見込まれています。
- 2018/19年度(平成30年度)の小麦の生産量は、作柄に恵まれた米国、カナダ等で増加するものの、ロシア、EU、豪州等で減少が見込まれることから、前年度を下回ると見込まれています。
大麦の生産量は、トルコ等で増加するものの、ロシア、EU等で減少することから、世界全体では前年度を下回ることが見込まれています。
また、2018/19年度(平成30年度)の小麦の消費量は、生産量を上回ることから、期末在庫率はやや低下するものの、36.5%(対前年▲1.1ポイント)と、引き続き高水準となることが見込まれています。
大麦についても、消費量が生産量を上回ることから、期末在庫率はやや低下し13.0%(対前年▲0.3ポイント)となることが見込まれています。
3-2. 小麦の国際価格の動向
小麦の国際価格は、主産地である北米、豪州、欧州・黒海沿岸地域等における天候及び作柄の変化に、これまで大きく影響を受けています。
直近では、2018年(平成30年)7月中旬以降、ロシア、EU等の乾燥による生産減少懸念等から上昇したものの、その後は、世界的に潤沢な供給量等を背景に全体的に軟調に推移し、2019年(平成31年)3月上旬現在のシカゴ小麦先物相場は、4ドル/ブッシェル台半ばとなっています。
3-3. 為替の動向
日本円と米国ドルの為替は、平成30年以降、円安基調で推移し、平成31年に入ってからは一時円高となりましたが、3月上旬では113円/ドル程度で推移しています。
3-4. 海上運賃の動向
海上運賃は、平成28年以降、上昇傾向で推移してきましたが、平成30年11月からは燃料油価格の下落を受けて軟調に推移しています。
4. 外国産食糧用麦の輸入状況
外国産食糧用麦については、国内産食糧用麦では量的又は質的に満たせない需要分について、政府が国家貿易により計画的に輸入し、需要者に売り渡しています。
現在の主な輸入先国は、アメリカ、カナダ、豪州の3か国となっています。
4-1. 小麦
外国産食糧用小麦の輸入量は、国内産小麦の作柄や輸出国における輸送状況等により変動し、近年は450万~520万トン程度で推移しています。
4-2. 大麦及びはだか麦
外国産食糧用大麦及びはだか麦の輸入量は、近年は20万~25万トン程度で推移しています。
5. 外国産食糧用麦の売渡方式
5-1. 外国産食糧用小麦の政府売渡
外国産食糧用小麦の政府売渡については、平成19年4月以降、輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)に、マークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格で売り渡す「相場連動制」に移行しました。
5-2. 即時販売方式
外国産食糧用小麦の売渡しについては、平成22年10月以降、輸入した小麦を直ちに製粉企業等に販売し、製粉企業等が一定期間備蓄することとなっています。
5-3. 食糧麦備蓄対策事業
即時販売方式の導入後は、製粉企業等が2.3か月分の外国産食糧用小麦の備蓄を行った場合、国が1.8か月分の保管経費を助成しています。
また、不測の事態が生じた場合には、国は、製粉企業等に対して、備蓄する外国産食糧用小麦の取崩しの指示等を行います。
6. 外国産食糧用小麦の政府売渡価格の動向
外国産食糧用小麦の政府売渡価格は、穀物の国際相場や海上運賃、為替等の動向を反映した買付価格に連動して、年2回改定されています。
平成30年10月期の政府売渡価格は、輸入小麦の平均買付価格(平成30年3月第2週~9月第1週)が、①米国及び豪州の一部の地域の乾燥による減収懸念等から小麦の価格が上昇、②燃料油価格の影響により海上運賃が上昇したこと、により、前期に比べ上昇したことから、5銘柄加重平均(税込価格)で55,560円/トン、対前期比2.2%の引上げとなりました。
また、平成31年4月期の政府売渡価格は、輸入小麦の平均買付価格(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)が、①小麦の国際価格に大きな変動がない中、②為替は円安傾向であったものの、海上運賃が下落したことにより、前期に比べ低下したこと、また、TPP11協定に基づき、カナダ・豪州産小麦にマークアップの引下げを適用したことから、5銘柄加重平均(税込価格)で54,630円/トン、対前期比1.7%の引下げとなりました。
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