有機栽培技術の基本と留意点 2
施肥管理
元肥
大豆は「痩せ地で育つ」イメージが強いが、吸収する窒素の大半は地力窒素と根粒菌による固定窒素に依存している。無機態窒素の施肥効果は10%程度と低いので、有機栽培でも初期生育が大きく劣ることはない。むしろ元肥窒素が過剰になると、根粒菌の着生が阻害されることが指摘されている。
このため、有機大豆作では、播種前に窒素施肥を目的とした有機質肥料の施用は、一部の寒冷地を除いて必要ない。リン酸や加里は、必要に応じて土づくりの一環として施用されていればよい。これは、大豆栽培歴の長い圃場では地力が高まっていること、水稲との輪換を行っている圃場では畑転換後に地力窒素の放出(乾土効果) が見られるからである。
ただし、北海道や東北北部の寒冷地では気候や土壌特性から充分な活性を引き出せない場合が多く、開花・結莢までの限られた期間に節数を確保する必要がある。寒冷地では元肥に窒素を施用することで初期生育が改善され、冷害を受けにくくなる。そのため、一般でも2~3kg/10a 程度の窒素を施用している。しかし、有機質肥料は化学肥料と異なり肥効の発現が遅いため、化学肥料と同時期に施用をしても施肥効果は期待できない。むしろ未熟な有機物は、施用後に土中で再分解が起こる際にタネバエの発生を誘発するので注意する必要がある。
元肥に有機質肥料を施用する場合は、予め有機質肥料を浅層(5cm 弱) に混和し、一次分解が終わってから(窪地等の湿気った箇所に菌糸が発生した後) 再度全層に鋤込む。ただし、融雪から播種までの期間が短く十分な時間をとることが難しい場合は、発芽揃い後の早い時期に大豆の上から播種条を中心に有機質肥料を散布し、玉カルチ等で表層に浅く混和するとよい。
有機質肥料はナタネ粕や魚粕が使用されることが多いが、米糠等と合わせてボカシにして使用したり、米糠にフィッシュソリブル(魚液肥) を添加した市販資材が使用できる。施用量は40~60kg/10a (N5 %として2~3 kg/10a 相当) が目安になる。また、タネバエを誘発しない有機物等の施用方法として、播種1 カ月前に発酵鶏ふんをプラウ耕で深層施用(約35cm の深さ) する方法が岩手県農業研究センターで開発されている。
追肥
追肥は根粒菌の活性が一時的に低下する開花期以降1 カ月程度の期間の窒素供給のために行う。そのため、地力窒素の供給量が少ない圃場や麦作跡地のほか、排水不良等で根粒菌の着生が少ない圃場では追肥効果が高い。その反面、地力窒素の放出が多ければ追肥の必要性は小さく、追肥をせずに収量が300kg/10a を越える場合には追肥の効果は判然としない。
大豆の収量は、いわゆる秋まさり型の生育で高く、開花期以降に供給される窒素の多寡に大きく影響される。有機栽培を始める際に、有機物施用と土壌改良を行ってきた地力の高い圃場を選択する必要があるのはこのためであり、栄養生長が盛んで多収例の多い暖地では追肥の効果は低く、逆に北海道では高い(農林統計協会2002d)。
大豆栽培での追肥効果には諸説あり、かつて泥炭土壌が多い北海道岩見沢近郊(新篠津村)は大豆の多収地域とされ、泥炭が夏季に分解して地力窒素の放出が多くなることをヒントに十勝地方で開花期追肥技術が考案され、大豆増産に寄与した。一方で、追肥が地力発現の効果を代替できるかは不明である、ともされている。
一般に、開花期の追肥によって落莢が減少し、莢数が増加するとされているが、有機栽培では通常追肥を行っていない。有機栽培でも、易分解性のボカシやナタネ粕を用いた追肥は考えられるが、有機物施用とともに緑肥作物等の活用による積極的な地力の培養を図っている例が多い。
播種
播種の時期と方法
播種の時期
大豆の栽培には積算気温2,000℃ (日平均気温12℃以上) が必要とされ、播種には地温10℃以上が必要である。また霜害には弱い。そのため、適温期間の短い寒地や寒冷地では播種期の幅が限られ、雪解け後の早い時期に播種をする必要がある。一方、適温期間が長い温暖地では、前後作の影響がなければ播種期の幅は極めて広いが、梅雨による播種作業の遅延や過繁茂、病害虫、台風等の影響を考慮すると、播種期はかなり限定されている。
大豆は早播きほど生育量が大きくなるが、品種によっては過繁茂や倒伏により減収することもある。四国南部や九州では早播きしても栄養生長が過剰にならない極早生品種を「夏大豆」として使用してきたが、近年は6 月下旬から7 月中旬に播種する「秋大豆」が主流となり、夏大豆はほとんど見られなくなった。
大豆の播種適期は地域毎に検討されている。神奈川県の平坦地では、ダイズサヤタマバエは6 月上旬播種より7 月上~中旬播種で、カメムシは6 月上旬播種より6 月中旬~ 7 月上旬播種で被害が少なくなった。また、近畿から瀬戸内地方では、標準播種期の6 月上旬~ 7 月上旬を外して、食葉害虫やダイズサヤタマバエの少ない梅雨明け後の早い時期の播種(密播) も提唱されている。九州では、夏大豆の開花期が6 月中旬以降になると、秋大豆では開花期が8 月中旬までになると、カメムシ類の被害が急増し、7 月上旬までの播種は無防除区で収穫皆無になる場合がある、とされている。
以上のように、播種期は病害虫の発生とも関係が深いので、地域の慣行栽培の播種期を参考にして時期を決定する。
栽植密度
有機栽培では、広範な根群による土壌からの養分吸収と、日当たりと通換気が良い群落によって、作物体の健全な生育を図りながら光合成を高める必要がある。ただし、品種によっては個体収量の増加に限界があるので、まずは地域の慣行栽培に準じた栽植密度で栽培しながら、増収を図るようにする。
大豆栽培では、開花期以降の茎葉の伸張により過繁茂になりやすいので、地域の天候や土壌の肥沃度、品種、機械作業等に応じて栽植密度を加減することが望ましい。総じて晩播等で生育期間が短い場合や土壌の肥沃度が低い場合には、早生品種等では密播の方が莢数を確保しやすい。
大豆の草姿は、疎植栽培では節間が詰まったずんぐりした草姿になるが、密植になるほど節間が伸びて蔓状の草姿になり、着莢位置も高くなって機械収穫に適するようになる。反面、倒伏の危険が高まり、収穫ロスの増加や品質低下も起きやすいので留意する。有機栽培では節間伸張が短い傾向があるので、機械収穫では播種密度をやや高めにし、節間を伸ばすと良い。
一般に、栽植密度は立毛個体で10,000~20,000/10a を目安として、地域、品種、播種時期によって増減する。例えば、青森県では「おおすず」は5 月上~下旬播種で18,000~20,000 本/10a(畦幅65~75cm)、「スズカリ」は5 月中旬播種で12,000~14,000 本/10a(同65~70cm) とされている。
播種の方法
大豆は通常は播種機によって1 株1~2 粒で条播され、覆土の厚さは3~5cm 程度である。
有機栽培では、施肥を伴わないので、播種の手順は耕起、整地、播種溝切り、種子播種、覆土、鎮圧になる。このうち、手押し等の播種機では播種溝切りから覆土、鎮圧までの作業を1工程で行うことができる。
また、トラクター搭載の1工程播種機は耕起から鎮圧の全行程を一度に済ますことができ、作業軽減に適している。ただし、機械経費がかかるほか、全面耕起後の播種に比べて作業時間が長くなる。
排水性が良好な圃場では、圃場を平らに整地した所に単条で条播するが、排水不良圃場では畦立て後に播種を行う必要がある。畝立て播種では、畝を広めに立てて2 条播きとし、培土はその条間の土を利用する。また、圃場周囲や数畝おきにやや深めの溝を切って排水につなぐ圃場内明渠を設置する。
梅雨期で圃場が乾かなかったり、排水性が著しく劣る圃場では、前作物の根株跡を利用できる不耕起播種の方が湿害を回避できるが、不耕起播種は除草剤を前提に開発されているので有機栽培では難しい。
発芽障害対策
斉一な発芽による苗立ちの確保は、慣行栽培、有機栽培を問わず、大豆栽培における一番の課題である。発芽が揃っていれば、これに続く中耕・培土作業が容易になり、大豆が条・株間を早く覆うので雑草の抑止も容易になる。特に、近年多用される多収性品種群は、分枝の発生が少ないので、発芽の良否がそのまま収量に反映する。
発芽が不斉一になる主な原因は、種子の発芽力もさることながら、播種後の土壌の過乾燥、過湿の影響が大きく、そのほかタネバエなどの虫害や栽培規模が小さい場合には鳩、カラスなどの鳥害も軽視できない。
大豆は、吸水後(含水量20~30%) に乾燥に遭うと発芽力を喪失する。また、土壌の砕土が不十分だと大豆の発芽が阻害される反面、細かくしすぎると粘質土壌ではクラストを生じやすく、かえって発芽不良になることもある。そこで、播種や初期生育時の天候、土性など圃場条件に合わせた対策を取る必要がある。
播種期が梅雨期以前になる北海道、東北や梅雨明け後になる西南暖地の遅播きでは乾燥による発芽不良に、また、播種を融雪後の短期間に行う必要がある北海道、東北や、梅雨期に当たる西南暖地の早播き等では湿害を受けるので、特に注意を要する。
乾燥時の播種方法
播種後の土壌の過乾燥は、播種時期が早い寒冷地などの畑大豆栽培で問題になる。黒ボク土のような軽しょうな土壌では圃場準備後に降雨を待って播種し、播種後に全面または播種溝上を鎮圧すれば毛管現象によって過乾燥を防ぐことが可能である。
また、乾燥が続いて毛管水だけで湿度を保てない場合は、灌水等を行う必要がある。水田畑利用の場合で水に余裕があれば、一旦湛水状態にして過乾燥を止めてから播種をすると省力的になる。ただし、湛水後何日経ったら適湿になるかは、土壌の種類や透排水性によって異なるので注意を要する。
腐植含量の少ないシルト質土壌や粘質土壌では、播種後の鎮圧によって覆土の固相率が高まり、降雨によるクラストの形成が出芽を妨げることがある。これに対して、北海道農業研究センターが開発した「覆土前鎮圧法」は、覆土の前に鎮圧輪で種子を押し込み、その後に覆土器で覆土をするので、覆土を膨軟な状態に保つことができ、発芽障害を回避することができる。
湿害対策
転作畑では、圃場の排水性や土性による発芽障害が発生することが多く、また、暖地ほど播種時期と梅雨期が近いので、耕耘作業や播種の遅延など耕種管理上の課題が多い。大豆300A 研究センターでは、排水不良転換畑での発芽改善のための麦跡不耕起播種法などの技術を開発しているが、有機栽培では初期除草のための中耕作業が困難になる場合があるなどの課題を残している。
(独)農研機構東北農業研究センターは、市販ロータリーを利用(一部撤去) して播種床部分を残して耕起をする「有芯部分耕栽培技術」を開発し、広範な土壌で実証している。有芯部分耕は慣行の耕耘法に比べ土壌水分の変動が小さく、過剰水分が耕起土壌(条間) に移行するので乾湿の害を受けにくくなる。本方法は設備投資が不要で、雑草抑制のための中耕・培土作業が可能であり、有機栽培でも容易に実施できると考えられるが、まだほとんど普及していない。
種子の発芽力と調湿
大豆の発芽力は、採種に至る前の登熟期の高温や干ばつによって低下するとされている。また、高水分状態(含水率19%以上) での高温下保存(30℃以上) や脱穀作業、裂皮等によっても低下する。
発芽力の高い種子を得るために収穫の前に採種用株をていねいに手刈りをして涼しい日陰で干すことが望ましい。仮に播種量5kg/10a、大豆収量150kg/10a とすると、1ha 当たり3.3a 分の刈り取りが必要になる。また、脱粒に当たっては回転の遅い足踏み脱穀機を使用する等、発芽力を低下させないように留意する。
大豆の種子は乾燥した状態で湿潤な環境に置かれると急激に吸水し、内部組織が崩壊して発芽力を失う(写真Ⅰ-11)。保管状態にある大豆の含水率は10%程度に乾燥しているので、播種に際しては、予め種子水分を15%程度まで緩やかに高めて(調湿) から播種することが望ましい。なお、調湿に当たっては相対湿度を約80%~90% に保ち、庫内温度は35℃以下で行わなくてはならない。
鳥害対策
地域によっては、播種直後の大豆種子が鳩やカラスなどに食害されて苗立ちが揃わないことがある。鳥害は、中山間地や水田地帯で大豆作が点在している地域で被害が大きく、集団的な転作地域ではあまり問題にならない。キヒゲン等の塗抹薬は主成分が殺菌剤のチウラムで、有機栽培では使用を禁止されている。
鳩害が問題になるのは播種直後から子葉展開期までの数日である。農家では様々な対策が考案されているが、簡便で確かな方法はなく、いくつかの方法を組み合わせて対処するしかない。
鳩は学習性があり、圃場や播種時期を覚えているので、連作や同時期の播種で被害が拡大すると言われている。前作に麦等がない場合は、播種期の1 ~ 2 カ月前頃から大豆を播いておくと、播種期に鳩害が減るという。また、麦わら等で地面が被覆されていると鳩害が減るとも言われている。
補植
何らかの理由で大豆の発芽が不揃いになり欠株が連続して生じると、雑草が生えやすく収量が低下するだけでなく、有機栽培に対する周囲の理解も得にくくなる。欠株を生じさせない管理を心がけることが肝要であるが、中山間地等の小規模栽培では補植による対策も有効である。
補植には、別に用意した補植用の苗を用いたり、間引いた苗を用いるが、可能であれば通常の条間に補植用に播種したり、畝端だけ密播して苗を用意しておく。間引きをした苗でもよいが、その場合は株ごと抜き取って小分けした後、再度植え直す方が良い。
補植は大苗では植え傷みによる生育遅延が大きいので、できるだけ子葉展開後から初生葉展開期頃までに行う。なお、生長点が残っていれば大きな減収にはならないので、その場合は補植の必要はない。
中耕と培土
中耕と培土の目的
大豆立毛中に管理機等で条間を耕起することを「中耕」と呼び、中耕でほぐした土を大豆の株元に寄せる作業を「培土」と呼ぶ。本来は中耕と培土は個別の作業であるが、一連の作業工程で同時に行われることもあるし、中耕のやり方によっては培土機能を持つこともあるので、両者を合わせて「中耕・培土」と言う。
中耕・培土は、圃場が過湿条件の場合には効果が認められるが、乾燥している場合は判然としないことや、耐倒伏性品種の導入などにより、省力化からも無培土栽培が提唱されている。しかし、有機栽培では雑草抑止の観点から中耕・培土作業は必要・不可欠な作業である。
中耕
中耕には3つの目的がある。1つは土壌を膨軟にして土壌中の粗孔隙を増やし、大豆の根張りを助けることである。特に、転換畑の土壌では粘土やシルトの含量が高い場合が多く、播種以降の降雨や管理作業で土壌が締まり、粗孔隙が少なくなっていることが多い。土壌硬度が高くなると大豆の根の伸張が抑制され、仮に伸張しても土壌の乾湿によって亀裂が生じると根が切断される。そこで、中耕により土壌を膨軟にして降水の縦浸透を高め、大豆根の伸張を促す必要がある。
2つ目は、土壌中の粗孔隙を通じて行われる大気とのガス交換を促すことである。大豆根に着生する根粒菌は大気中の窒素(N2) を利用して窒素固定を行うので、土壌と大気のガス交換が進まないと根粒の活性が低下する。根粒菌の窒素固定による窒素供給量は条件によって大差はあるとされているが、大豆の窒素吸収量の概ね50% (子実重100kg の場合、窒素吸収量5.6kg 中の約3kg に相当) に及ぶとされている。このため、中耕による根粒菌の活性は大豆栽培にとり極めて影響が大きい。
3つ目は、中耕により雑草の発生を抑制し、雑草との競合を回避することである。中耕作業による土壌の撹拌は、発芽後間もない種子繁殖型の草種に対して効果的である。一般の有機栽培農家では2 回は行うとしており、大豆の茎葉の繁茂状況とも関連するが雑草の多いときは3 回以上行われる。大豆の初期生育が緩慢な北海道では、雑草抑制のために2 ~ 3 回の中耕が推奨され、5回以上行う農家も多い。除草を目的とした中耕は、根張りや根粒菌活性を目的とした中耕に比べて深く耕す必要はなく、雑草種子の発芽深度である5cm 未満を対象に浅く実施すればよい。また、圃場が湿潤な時は、一旦切除された雑草が再び活着し効果が半減するので、中耕後も3~4日は干天が続く日を選ぶことが重要である。
培土
培土の目的は4つに大別できる。1つ目は大豆の不定根の発生を促して根域を拡大し、根粒菌の活性を促すこと、2つ目は、倒伏の防止であり、3つ目は、排水の改善である。4つ目は、中耕と同様に雑草の抑制であるが、有機栽培における培土では特に株元に発生する雑草を埋め込むことに重きを置いている。
大豆の胚軸は、周囲の空気湿度が90%程度以上になると不定根を発生する。培土によって株元に寄せられた土壌の孔隙内の湿度は大気中より高く、そのため不定根の発生が多くなる。培土中に不定根が多く発生すると、全体の根粒数が増加する上に、培土内は土壌が膨軟で通気が良いため根粒菌の活性も高くなる。
大豆は栽植密植が高くなると徒長型の草姿を示すようになる。通常は群落内での支え合いによって倒伏しないが、台風等の強風に遭うと容易に倒伏する。培土は株元に寄せた土により折れやすい胚軸を保護し、根の浮き上がりを防いで強風等による倒伏を防ぐ役割も持っている。また、培土によって株元の排水性が改善され、圃場内排水と株元の過湿を防ぐので、排水条件が不良の転作大豆では特に重要な意味をもつ。
中耕作業では大豆の株元まで撹拌することができないため、株元に発生する雑草を抑制することは極めて困難である。培土は株元に残った草を寄せた土で埋め込むことにより抑草する。その効果はイネ科雑草で30 数%、非イネ科雑草で6 ~ 9%とされている。このため、培土によって抑制できない大型雑草は、なるべく早い内に人手により削除する必要がある。特に、温暖地で最近急速に増えている外来大型雑草は1m以上になるまで放置すると、コンバイン収穫に支障を与え汚染粒発生の原因にもなるので注意する。
培土による抑草は、埋め込むことさえできれば中耕による抑草に比べてより大きく育った後でも効果がある。ただし、培土された土の上にも雑草が発生するほか、培土直後に降雨があると埋め込まれた草が再生することがあるので、大豆の生育や天候に合わせて実施しないと効果がない場合もある。
なお、培土の回数を増やしたり、培土を強くして畝の高さを上げすぎると、コンバイン作業の際に刈り位置を高めて収穫ロスを増やすことになり、また、土砂混入の原因になって収穫物の調整や販売の際に大きな問題になるので、こういう面からの配慮も必要である。
中耕・培土の時期と方法
①中耕・培土の時期
中耕・培土の時期は、一般に播種後20~25日(本葉2~3 枚頃) と、その10~15 日後(本葉4 ~ 5 枚頃) の2 回とされ、開花始めまでに終えるようにする。また、晩播等で開花までの期間が短い場合や天候によって作業が遅れる場合には、両者の中間の本葉3 ~ 4 枚頃に行う。いずれにしても開花開始期前に作業を終える。その時期以降の培土作業は、大豆の根を傷め倒伏や特に節数の多い下位節(5~6節) の分枝を折って減収の原因にもなるので原則として行わないようにする。
中耕作業は培土時に併せて実施するほか、排水性の悪い圃場では発芽が揃った頃から、地面に亀裂を作るように行っておく。また、このような圃場では大豆の根が浅く、広く張っていることがあるので、なるべく根を傷めないように、ごく表層を浅く中耕する必要がある。
なお一般に、有機栽培における培土は中耕の最後の段階で仕上げのような形で行われるが、株間の雑草の生育は慣行栽培の場合より早いため、培土の時期が遅れると雑草の勢いが増すので、中耕時のカルチベーターの回転速度を速めて、中耕の都度株元に土を飛ばしたり、雑草の状況によっては培土の時期を早めたりすることも経験を積み身に付けていく必要がある。
②中耕・培土の方法
中耕・培土作業には管理機が用いられることが多い。多くの場合は数馬力の小型管理機に標準ロータリーと培土器を付けて行う。近年は小型トラクターや乗用管理機も利用されるが、作業形態は同一である。
培土は、初回は子葉が隠れるように土を寄せる。この際、畝間全体から土を寄せ、畝が広くなるように培土を行う。2 回目の培土では初生葉が半分隠れる程度まで土を寄せる。ただし、畝の高さが20cm を越えると機械収穫等の作業性が低下し、刈取り時の汚染粒の原因にもなるので、培土の高さは20cm 以内とする。
培土に当たっては、寄せた土の中に不定根が多く発生できるように、断面がこんもりとした山状になっていることが大切で、三角の尖った形状にならないように注意する。また株元に溝があるM字状になると株間の草を十分抑えることができずに残草の原因になる。さらに、降雨がM字の溝に集まるので、排水性の悪い圃場では株元が過湿になって立枯病害が増加する。培土に当たってはM 字状の断面にならないよう、土をしっかり寄せることが大切である。なお、粘土質で排水性の劣る土壌で、中耕で十分に砕土されていない土を無理に寄せると、茎に傷が付いて茎疫病等が発生する場合があるので注意する。
有機栽培の場合には、雑草の発生を抑制するために中耕作業だけ2回程度行う例が多い。その場合は深く耕す必要はないので、管理機のロータリーだけでなく、目的に応じてカルチベーター等の作業機を選択する。
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