寒冷地における有機大豆作技術 2

事例紹介

緑肥活用で4 年輪作の有機大豆作 -田畑輪換と徹底した除草対策を実施-

経営概況

経営面積は水田123a、畑629aで、うち有機栽培面積は水田44a、畑629aである。常時雇用者は5名である。有機大豆作は2006 年から始め、面積は30aで、有機JAS 認定は平成13 年から取得している。

大豆の栽培概要

品種は黄大豆は「トヨムスメ」(奨励品種) で、黒大豆は「イワイクロ」(奨励品種) である。種子は原則として自家採取で更新しているが、病虫害が出れば近くの有機栽培農家から購入している。
播種は6 月10日頃に4連播種機で、畝間66cm、株間12cm、2粒播きとし、栽植密度は25000 本/10a 程度である。収穫時期は通常10月中旬頃で、株を刈り倒した後、大豆子実の水分が15%程になるまで圃場に積み上げて乾燥させる(にお積み)。乾燥後は脱粒機と唐箕にかけ粒径別に調製する。単収は年次変化が大きく、良い年は200kg/10a程度、悪い年は100kg/10aの時もある。

排水・土づくり・施肥対策

暗渠を設置しているが効果が不十分なので、秋にチゼルプラウで表面を荒く起こし、さらに明渠で春先に土壌を乾燥させている。次作が大豆の場合は、秋や時には春にサブソイラーや弾丸暗渠を施工する。畑をよく乾かすように努め、特に春先の雪解け水に早く対処して、適期作業を心掛けている。
作付体系は4年畑輪作で、大豆作の前は施肥を行わず、前作物の残渣や緑肥(クローバ、ライムギ、ヒマワリ) の鋤込みだけを行っている。5月下旬にロータリー及びアップカットロータリーで耕起を行い、追肥は行わない。

雑草対策

6 月中旬~下旬にロータリーカルチベーターやキューホーなどで中耕・培土を行う。さらに、6 月下旬~ 7 月中旬の間に延べ9 回程度手取り除草も行う。中耕・培土による除草はタイミングが重要で、天候によって作業が遅れると大幅に減収する。

病虫害対策

病虫害の影響は小さい。緑肥の鋤込みから大豆播種までの期間が短いため、発芽時にタネバエの被害が大きかったが、播種後に鎮圧ローターを数回かけ、足を踏み入れても沈まない程度まで鎮圧した結果タネバエは抑制でき、発芽揃いも高まった。
マメシンクイガ対策には、有機JAS認定資材の忌避剤「ウインドスター」(松ヤニ、2 万円/L) を使い始めたが、効果の確認には至っていない。ハトによる食害の影響が大きく、パオパオやネットの被覆、黄色い糸やテグスを張ったりしたがあまり効果がなく、発芽直後の子葉が食害され問題である。

田畑輪換で大規模有機大豆作 -秋耕起・稻わら等鋤込みで土づくり-

経営概況

経営面積は水田3300a、転換畑5200a、畑320aで、全てが有機栽培である。家族労働人数は3名、雇用者は9名、臨時雇用は延べ910人日である。有機大豆作は2000年から始め、面積は4000aで、有機JAS認定は平成13年から取得している。

大豆の栽培概要

作付体系は「大豆2年―水稲2年」や、「大豆1年―水稲2年―小麦1年―緑肥」という田畑輪換で行っている。品種は「おおすず」(奨励品種)で、種子は自家採取で更新している。
播種は6月1~10日の間に播種機で行う。畝間72cm、株間18cm、2粒播きで、栽植密度は16000~18000本/10a 程度となる。
収穫は10月末にコンバインで収穫し、大豆子実の水分を20%から18%に落として10~20日間置き、その後15%に落とす2段階乾燥を子実の裂皮防止のため行っている。単収は平均120kg/10a程であるが、多い年は240~300kg/10a の時もある。

排水・土づくり・施肥対策

排水対策は暗渠排水やプラウ耕で対応し、弾丸暗渠を入れることもある。また、春秋の耕起で土壌をできるだけ乾燥させている。
コンバイン収穫後の稲わらや大豆残渣に、自家製の籾殻・米糠堆肥(1600L/10a)を施用し、プラウで天地返しをして鋤込み、春先の排水対策も兼ねている。さらに、5月中にプラウ(水分の多い圃場はディスクプラウ)、バーチカルハロー、アップカットロータリーをかけ、有機物の分解を促進し、雑草発生を抑制している。

雑草対策

雑草が繁茂すると収量に大きく影響するので、田畑輪換で畑雑草と水田雑草をそれぞれ抑制するとともに、中耕・培土と手取り除草を行っている。中耕・培土は6月15日~7月5日の期間にカルチベーターを3回かけている。手取り除草は7月20日~8 月15日の期間に行う。

病虫害対策

マメシンクイガも紫斑病もほとんど問題にならない。田畑輪換が有効に働いていると感じている。

緑肥利用と田畑輪換での有機大豆作 -排水対策と雑草対策を徹底-

経営概況

経営面積は水田1410a、転換畑350aで、うち有機栽培面積は水田350a、転換畑350aである。家族労働2名と臨時雇用者は120人日である。有機大豆作は2005年から始め、面積は350aで、有機JAS認定は平成13年から取得している。

豆の栽培概要

大豆の作付は1年おきの田畑輪換で行っており、大豆作の前作として緑肥(ヘアリーベッチ) を栽培している。大豆の品種は「リュウホウ」(奨励品種)で、大潟村カントリーエレベーター公社やJAから購入している。播種は6月15日頃に播種機で、畝間72cm、株間13cm、2 粒播きで、栽植密度は18000~20000本/10a程度である。
収穫は通常10 月20 日前後で、大豆の生育不良の場合は手刈りを行うこともあるが、原則としてコンバインで収穫する。収穫後はすぐ大潟村カントリーエレベーター公社に納品する。単収は年次変動が大きく、90~270kg/10aの幅がある。

排水・土づくり・施肥対策

排水対策として暗渠を敷設しており、さらに2~3年おきに古い暗渠につなげるように横暗渠を入れている。秋にプラウ耕を行うと乾燥が進み、わらの分解促進や雑草抑制にもつながるように感じている。
大豆作の前に緑肥のヘアリーベッチを栽培している。ヘアリーベッチも過湿で発芽不良になるので、できるだけ土壌を乾燥させてから播種している。緑肥の導入で圃場内で有機物が確保でき、大豆の生育も良好である。ヘアリーベッチの播種は、前年の水稲収穫後あるいは収穫が延びた場合は稲が残っている状態で圃場にばら播き(5kg/10a)している。ヘアリーベッチの鋤込みは6 月上旬に行うが、生育しすぎると窒素が効き過ぎて大豆の蔓化や花落ちで減収となるので、早めに鋤込んでいる。ヘアリーベッチを播種できなかった年は、元肥として10kgN/10a程度になるように、ナタネ油粕(320kg/10a) を施用する。田畑輪換で大豆栽培の前に鋤込んだヘアリーベッチの抑草効果は稲作でも継続していると感じている。

雑草対策

中耕・培土のタイミングが良ければ問題はない。中耕・培土は6月30日~7月15日の間に4回以上行う。中耕・培土には爪カルチベーターとロータリーカルチベーターを用いるが、培土効果の高い爪カルチベーターの方が使用頻度は高い。手取り除草は8月10日頃に臨時雇用者で行っている。

病虫害対策

田畑輪換の実施でほとんど問題にならない。ヘアリーベッチを鋤込むので大豆発芽初期のネキリムシが問題になるが、防除資材は使っていない。

排水を徹底した低投入型有機大豆作 -根際の排水性向上を狙う中耕・培土-

経営概況

経営面積は水田777a、転換畑103a、畑20aで、うち有機栽培面積は水田127a、転換畑103a、畑10aである。労働力は家族2名、除草時の雇用者は15名程度である。有機大豆作は1997年から始め、面積は103aで、有機JAS 認定は平成13年から取得している。

大豆の栽培概要

転換畑で連作を行っており、品種は黄大豆の「ミヤギシロメ」と、納豆用小粒大豆の「地塚」を栽培している。種子は1年おきに購入し更新している。播種は6月下旬に畦間73cm、株間18cm、2粒播きで、栽植密度は15000株/10a程度である。収穫は12月下旬で、コンバイン収穫である。単収は平均180kg/10a程度である。

排水・土づくり・施肥対策

約30 年前の圃場整備で暗渠を設置した。排水対策は大豆の発芽だけでなく、雑草や病虫害の発生にも影響が大きい。中耕・培土時に鉄の斧のようなアタッチメント(商品名: Eカッター君) で根際も中耕し排水性を向上させている。
以前、牛糞堆肥を施用していた頃は外来雑草が発生し、さらに有機質肥料を施用していた頃は雑草の繁茂や病虫害の発生が激しかったので、現在は大豆残渣を鋤込むだけにしている。一部生育の悪い圃場には屑大豆を施用する場合もある。春に荒起しを行っている。

雑草対策

雑草が繁茂すると収量に大きく影響するので、カルチベーターによる中耕・培土と手取り除草のタイミングを逃さないように努めている。7月中旬と8月上旬にカルチベーターで中耕・培土を2回以上行っている。また、シルバー人材センターに依頼し手取り除草もこまめに行っている。主な雑草種はアメリカセンダングサ、アレチウリ、オオオナモミ、イヌホウズキである。

病虫害対策

マメシンクイガは問題であるが、根際の中耕により排水性を改善すると発生が減少してきた。

排水・有機質資材での土づくり

経営概況

家族労働人数は2名、臨時雇用人数は延べ40人日である。経営面積は水田240a、転換畑60a、畑5a、樹園地60aで、うち有機栽培面積は有機水稲100a、有機大豆60aである。有機JAS認定は平成13~15年まで取得していたが、その後中止した。

大豆栽培の概要

地域で水稲から大豆へ集団転作してから、8 年間の連作を行っている。
干ばつ時には暗渠に用水を入れて地下灌漑を行っている。
品種は黄大豆の「スズユタカ」と、緑大豆の「秘伝豆」を栽培している。種子は自家採取で更新している。
播種はロータリーの後ろに播種機を付け、畝立てをせずに耕耘同時播種を6月15日頃に行っている。播種前には数回耕耘をして砕土と乾燥化を進め、大豆の発芽率を高めている。畝間90cm、株間10cm、2粒播きで、栽植密度は22000本/10a程度である。
収穫は10月末にコンバインで行い、その後乾燥機で仕上げる。単収は黄大豆が220~280kg/10a、緑大豆が110kg/10a程である。緑大豆は暗渠の効きが悪い圃場で栽培しているため単収が低い。

排水・土づくり・施肥対策

暗渠は25年前の圃場整備時に、10mおきに土管と疎水材は砕石により設置した(プラスチック製の暗渠や籾殻による施工は持続性が弱いと感じている)。播種前に圃場を数回耕耘して砕土と乾燥化を図り、土壌を畑の状態に近づけて大豆の発芽率向上を図っている。緑大豆を栽培している圃場は暗渠の効果が小さいので圃場まわりに明渠を設置している。
大豆残渣を秋か春に圃場に鋤込み、春に牛糞堆肥(8頭の牛飼育による自家製堆肥) を1t/10a施用している。元肥として播種前の6月上旬にゴールドコーユ60kg/10aを全層施用している。

雑草対策

中耕・培土のタイミングに留意し、播種後20日目と35日目を目安にして行っているが、天候や他の作業の影響で遅れることも多い。中耕の間にハンマーモアを1 回かけられるとさらに効果が高い。主な雑草種はヒエやアメリカセンダングサなどである。

病虫害対策

マメシンクイガも紫斑病もほとんど出ないが、開花前に体長1.5cmくらいの頭が赤くて体が黒い虫が葉を食害するが、これもあまり問題にはならない。

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