寒冷地における有機大豆作技術 1

地域の特徴と有機大豆作の問題点

営農条件からみた地域の特徴

大豆の栽培には日平均気温12℃以上、積算気温2000℃以上が必要であるが、北海道から東北中部の寒冷地では、大豆の生育可能日数が120~160 日程度であり、大豆栽培は主に単作型で行われる。
気候が冷涼で病虫害の発生は比較的少ないが、マメシンクイガ、紫斑病、わい化病に注意を要する。
北海道の大豆作は、気象条件から2 地域に分けられる。道東地域は大規模な畑作地帯で、単収は高いが冷害の頻度も高く、馬鈴薯、甜菜、麦などを組み込む輪作が行われ、道央及び道南地域は水田転作と畑作が混在し、水稲、麦、小豆、甜菜などを組み込んだ輪作になる。多くの有機栽培農家は輪作の中で土づくりを行うため、クローバー、ライムギ、エンバク、ヒマワリ、デントコーンなどの緑肥作物を組み込んでいる。
東北地方の大豆作は、北部では単作型であるが、中部では水稲、麦類を組合せた「2 年3作型」の土地利用も可能である。また、転作田での栽培が多いが、農家によっては田畑輪換方式ではなく、稲作に条件の悪い圃場で大豆を連作することもあり、大豆の低収の原因になっている。

有機栽培の問題点

有機栽培農家調査等を通じて明らかになった、有機大豆作実施上の問題点は以下の通りである。

圃場の排水不良による湿害が起きやすい

寒冷地の水田の多くは重粘土質で、さらに排水不良の湿田、半湿田が多い。東北は一般に5 月中下旬~ 6 月上旬が播種適期のため、中耕・培土時が梅雨期と重なる。また、6 月下旬は南東北の播種期が梅雨初期と重なり、湿害を起こしやすく発芽揃いが悪くなる。

雑草の繁茂が減収と労働過重をもたらす

発芽・苗立ちが悪かったり、排水条件が悪いと生育が不均一になり、雑草の繁茂を助長して減収につながる。北海道では畑地も含めて重粘土壌が多く、東北北部では除草時期が梅雨と重なるため、特に水田転作では中耕・培土の時期を失することがしばしばあり、除草労力が増大するほか減収につながる。また、雑草が繁茂すると、マメシンクイガの被害が増加して収量を低下させる。

生育初期の低温が生育不良をもたらす

北海道では特に春先の気温が低く、有機物の分解や地力の発現が遅れる。また、低温期には、根粒菌の活動が抑制されるので、生育が緩慢なことが多い。さらに、寒冷地での有機栽培では、前作物の残渣を前年秋に、緑肥を春に鋤込むケースが多いが、春先は地温が低く有機物の分解が緩慢なため、大豆の播種時期が早いと、土壌中の未分解有機物にタネバエが発生し発芽が阻害されることがある。

気象条件によって作柄が大きく変動する

天候不順が続くと、未分解の有機物が残存し、有機物の施用増加で土壌は窒素過剰になりやすく、大豆の蔓化や病虫害が増加し、作柄が不安定になる。
また、8 月下旬以降に気温20℃付近で降雨が続くと紫斑病に感染しやすく、大豆群落内の過湿、過繁茂、刈り遅れも被害を拡大する。
なお、北海道の道東では、冷害の発生頻度が高く、単収の年次変動が大きい。

有機栽培を成功させるポイント

先駆的な有機大豆作農家の事例から、有機栽培を成功させる技術的留意点を示す。

土壌の透・排水性を高める

発芽時の障害はその後の根の発達を悪化させ、収量を低下させる。また、土づくりのためヘアリーベッチなど緑肥を取り入れている有機大豆作農家も多いが、土壌が過湿状態では生育が悪く、緑肥としての効果が低下する。そこで、排水不良の圃場では、暗渠排水や圃場内明渠の設置、サブソイラーによる心土破砕のほか、耕起、畝立てにより、排水性を高める必要がある。

除草を適期・適切に行う

播種後2 週間以内に1 回目の中耕を行うと雑草の抑制効果が高い。株間の雑草は早期の培土により抑えられる。生育初期にはトラクターを低速で運転し大豆に障害を与えないように注意するが、草丈が高くなるに従い速度を上げ、株元まで覆土が届くようにする。中耕・培土の回数の増加で雑草抑制効果は高まるが、北海道では大豆の発芽前に2 回カルチベーターがけを行い、大豆の発芽後も5 ~ 6 回の中耕・培土を行い抑草をしている例がある。東北地方では除草時期が梅雨と重なり、中耕・培土のタイミングを失しやすいので、降雨前に作業が行えるように留意する。なお、イヌホウズキやスベリヒユが残っていると、コンバイン収穫時に子実を汚損し商品価値を下げるので、収穫前に除く必要がある。

地力向上を図る

大豆の窒素吸収量は水稲の約2 倍とされ、特に開花期以降に大量の窒素を吸収する。従って、土壌診断に基づき地力を高める土づくりが必要である。大豆の作柄の年次間差は大きいが、寒冷地で200kg/10a 以上の単収を安定的に上げている有機栽培農家は、緑肥や堆肥による土づくりを行っていることが多い。また、生育後期の高い窒素要求性に応え、播種前に有機質肥料を深層に施肥して成果を上げている例もある。播種直前か播種時に土ぼかしや有機質肥料を施用し初期生育を旺盛にすることも重要である。

病虫害の抑制対策をとる

有機栽培では、前作物の残渣を秋の収穫後に、緑肥を春に鋤込むケースが多いが、大豆の播種期が早いと土壌中の未分解有機物にタネバエが発生し発芽が抑制される。そのため、北海道の大規模畑輪作では、有機物の鋤込みと大豆の播種期をずらしたり、播種直後に鎮圧ローターをかけてタネバエの発生を抑制している例がある。
また、田畑輪換はマメシンクイガの発生を抑え、雑草も抑制できる有効な耕種技術となる。紫斑病は、大豆群落内の過湿、過繁茂、刈遅れも被害を助長するので、排水対策を徹底し、適切な栽植密度を保ち、適期刈取りを行う。

合理的な土地利用を行う

大豆を連作すると地力低下や病虫害が発生しやすくなるので、田畑輪換やブロックローテーションを行うことが望ましい。北海道では畑作大豆の有機栽培農家も、慣行栽培と同様な3~5 年サイクルの畑輪作を行うことが多い。東北中・北部では1 年1 作の単作型の大豆栽培が多いが、中部以南では「水稲-麦-大豆」の2 年3 作または「麦-大豆」の1年2作の作付体系を組むことができる。

適切な品種選択を行う

寒冷地の気象条件は多様であり、道県での奨励品種数も多い。有機栽培でもこの中から、低温抵抗性、耐病虫性、晩播適応性、機械化適応性などを考慮して選択するのがよい。

寒冷地における有機大豆作の留意点

品種と作付時期の選択

品種の選択

北海道の奨励品種には低温抵抗性のある品種が多いので、道の奨励品種を選択した方が良い。
北海道では、道東、道央、道南で気象条件が大きく異なるので、奨励品種の数も多い。また、シストセンチュウやわい化病への抵抗性や、また、大規模栽培されることが多いので機械化適応性などを考慮して選定する。冷害の発生頻度が高い道東では、早生系統の品種が適している。
東北地方では気象などの制約条件が複雑なため、耐病虫性、密植適応性、晩播適応性、早晩性、機械化適応性、耐冷性、水田転換畑適応性など幅広い対応が求められる。各県それぞれ4~9 品種を奨励しているので、これらの情報を考慮し、実需者の意向を加味して品種選択を行う。

作付時期の選択

北海道では気象条件の制約から、大豆は1 年1作の単作となり、栽培時期も生育温度と収穫晩限期との関係で自ずから限定される。北海道農務部は「道産豆類地帯別栽培指針」において、地域別の積算気温と無霜期間の組合せにより、地域ごとの指針を出しているが、有機栽培においても気象の制約は慣行栽培以上に大きいので、この基準に従うことになる。
一般的な播種期は、5 月中旬から下旬にかけてになり、収穫期は10 月上旬からになるので、無霜期間の短い地域では特に品種の早晩性にも留意して作付時期を選択する必要がある。
東北地方でも1年1作の単作型の栽培になるが、無霜期間のある程度長い中部以南では、水稲-麦-大豆の2 年3 作型(気候条件が良い所では麦-大豆の1 年2 作型) の作付け体系を組むことができる。

圃場の選定と準備

寒冷地では、生育期間が限られている上に、一般に地形条件や土壌条件からみて、他地域以上に圃場の選定や準備が重要になる。
大豆は根粒菌の空気中からの窒素固定にかなり依存しているが、温度条件が低い時期には根粒菌の働きが低いため、地力の高い圃場を選ぶ必要がある。
北海道では、耕起後播種までの期間が長いと、土壌が乾燥し過ぎて大豆が発芽不良となる。また、降雨後に乾燥して土膜(クラスト) が出来やすい土壌では、一旦クラストが出来ると、土壌の通気性が著しく低下し、発芽が著しく低下する。このような土壌では、耕耘し過ぎや砕土率の高いアップカットロータリー耕を避け、浅耕で高畝にした方が良い。スメクタイト系の重粘土壌は、耕耘・砕土後、土壌表面がさらに細かく砕けるため、耕耘後に降雨があってもクラストが形成されにくい。このため、こうした土壌の地域では、水が飽和状態になると透・排水性が低下し湿害が起きやすので、播種前や播種時に十分耕起して高畝にすることや、アップカットロータリー耕での畝立て同時播種が適当である。スメクタイト系の重粘土土壌であっても、土壌中のナトリウム含量の高い土壌では厚いクラストが形成される場合があり、そのような土壌ではロータリ耕は適さない。

土づくりと施肥管理

有機物の分解に留意した施肥管理

東北農業研究センターが行った田畑輪換の試験では、稲わらを還元しない1 年おきの短期輪換や稲わら還元の有無に関わらない3 年おきの中期輪換では、13 年後の土壌可給態窒素の低下が大きいとしている。有機大豆作でも定期的に土壌診断を行い、地力の変化に注意が必要である。
寒冷地では融雪の関係で春先の圃場作業や有機物の分解期間が十分取れないことがあるので、土づくりは秋耕起を行う際に前作物の残さや堆肥を鋤込むと効果的であり、牛糞堆肥や籾殻米糠堆肥などを、500~1000kg/10a 程度施用している例もある。
天候の関係で秋耕起ができなかった場合は、春に圃場に入れ次第作業を開始する。大豆栽培の前に緑肥としてヘアリーベッチを活用している秋田県の例では、天候不良で秋にヘアリーベッチが播種できなかった年には、春先の融雪後すぐになたね油粕、鶏糞堆肥、有機質肥料を組合せ、10kg/10a相当の窒素量を全層施用している。北海道では春先施用の有機物は分解しにくいので、大豆の播種までに十分な分解期間がとれない場合は注意する。ただし、投入有機物の量や種類によっては春施用でも問題がないケースもある。栽培事例の中には、春先に自家製堆肥(バーク、麦稈、米糠、有機物残渣が原料) を1.5~2t/10a 施用し、さらに大豆播種の数日前に自家製の土ぼかしを0.5t/10a 施用した農家や、大豆の播種と同時に有機質肥料40kg/10a とグアノリン酸20kg/10a を施用している農家もあり、大豆の初期生育を確保している。

緑肥利用による土づくり

緑肥を活用した土づくりも有効である。北海道では大規模圃場で畑輪作を行う場合、前年にクローバーやライムギ、ヒマワリなどを緑肥として活用できる。東北地方では水稲と大豆を1 年毎に交互に栽培する単作型、あるいは水稲作を2 ~ 3 年のあと大豆を1 作入れる田畑輪換の中で、ヘアリーベッチを栽培する有機栽培農家も多い。この場合は、水稲収穫後直ちに播種するか、天候不良で水稲の収穫が遅れる場合には、水稲の立毛中にヘアリーベッチをばら播きし(5kg/10a)、越冬前にできる限り生育量を確保する。
ヘアリーベッチは、大豆の播種1~2 週間前にはチョッパーで裁断し、バーチカルハローなどで土壌に鋤込む。ただし、ヘアリーベッチの生育が旺盛な場合には、窒素過多から大豆の蔓化や花落ちが起きるので、早めの鋤込みとする。ヘアリーベッチが生育不良の場合は、鋤込み時期を遅らせて生育量を確保する。
秋田県立大学の研究によると、ヘアリーベッチが蓄積した窒素の還元効果に加え、ヘアリーベッチが根を張ることで圃場の物理性が改善され、透・排水性の向上効果あるという。ヘアリーベッチの鋤込みには雑草の抑制効果のほか、その効果が次の水稲作でも続いているとみている生産者もいる。
ヘアリーベッチ導入上の注意点は、発芽時に湿害を受けやすいので、降雨が続く場合は播種を遅らせた方が良い。なお、青森以北では気温が低く生育が不十分なため、緑肥効果が期待できないことが多い。
ヘアリーベッチも根に根粒菌が共生するが、初めてヘアリーベッチを導入する際には、その生育を良好にする根粒菌接種剤も開発されている。秋田県立大学では、寒冷地の土壌から窒素固定能力の高いヘアリーベッチ根粒菌を探索し、土壌へ定着させてヘアリーベッチの根への感染率を高めて成功している。この資材はJA 大潟村が窓口になって市販されている。

播種

北海道では春先の地温の上昇が遅く、早播きすると晩霜害を被ることがある。一般には5 月中下旬~ 6 月上旬に播種されることが多い。東北地方では転作大豆作が多いので、田植えが終わってから本格的に準備を始めると、晩限期ないしは適期からやや遅れた播種(6 月上旬~下旬) になりやすい。
大豆は発芽時に湿害を受けやすいので、播種時の土壌水分状態に注意する。東北地方では重粘土壌や排水不良で地下水位の高い転作田が多く、さらに播種時期が梅雨と重なりがちなため、播種直後に長雨が続く場合は播種を控えた方が良い。重粘土壌では、アップカットロータリー耕での畝立て同時播種が適している。一方、降雨が少なく土壌が乾燥し過ぎても大豆の発芽は悪い。重粘土壌で砕土率が低い場合は、土壌と大豆の種子との接触が不十分となり、さらに鎮圧も不十分となるので、大豆の発芽前に土壌が乾燥することもある。
栽植密度は生産者が持つ機械によっても若干異なるが、総じて畝間60cm 程度、株間20cm 程度、2 粒播きの15000~20000 本/10a 植が標準的である。生産者によっては畝間を70~90cm に拡げ、株間を10~15cm に狭める場合もある。ある有機栽培農家は、管理しやすい環境づくりと風通しによる病虫害抑制効果を狙い、畝間80cm、株間27cm、2 粒播きの9000 本/10a と粗植で栽培している。このように栽植密度を下げた場合、大豆の分枝数が増え、着莢位置も下がるのでコンバイン収穫には不向きとなるが、この生産者は刈払機と脱穀機で収穫している。

雑草防除対策

有機大豆の畑輪作が多い北海道では、田畑輪換体系と比べて畑雑草の発生量は多いが、梅雨による農作業への影響がないため、中耕・培土は適切に行いやすい。北海道では大豆の生育期間中に、中耕・培土と手取り除草を合わせて5~8 回程度行うことができる。徹底的な除草を行う有機栽培農家では、大豆の発芽前にロータリーカルチベーターかけを2 回行う例もある。
東北地方では初期除草が必要な時期が梅雨と重なり、水田転換畑では排水性が良くないため、機械除草をタイミング良く行うことが難しい。中耕・培土回数は2~4 回程度の農家が多いが、天候不良が続く年には作業ができない場合もあるので、生育初期の天気予報や圃場の状態に注意する。
また、収穫前の手取り除草も行う必要がある。イヌホウズキやスベリヒユを取り残すと、コンバイン収穫の際に大豆子実の汚損の原因になる。また、田畑輪換の大豆作でヒエを残すと、翌年の稲作に影響が出る。

大豆根粒菌の接種

根粒菌は地温15℃ではほとんど窒素固定をしないので、寒冷地では根粒の窒素固定が不十分なことがある。そのため、低温でも窒素固定活性の高い大豆根粒菌資材を接種すると効果が高い。
圃場の利用法の違いは、土壌中の根粒菌密度に影響を与える。北海道では畑輪作が、東北地方では田畑輪換が行われることが多いが、畑利用継続地や隔年おきの田畑輪換では土壌中の根粒菌密度は維持されるが、稲作継続圃場や大豆の不作付圃場では根粒の着生不良が生じるため、積極的に根粒菌の接種を行った方が良い。
大豆への根粒菌接種は、種子粉衣剤で利用されることが多い。一方、(独)農研機構北海道農業研究センターの研究によると、寒地転換畑(灰色低地土) では根粒菌液に浸した粒状資材の方が高い接種効果を持つとされている。この資材は、根粒菌の菌液に浸したパーライトをピートモスで被覆した粒状物であり、この資材を圃場に25kg/10a 施用することで、大豆の根に形成された根粒数は種子粉衣剤や菌液による接種より有意に増加した。

病虫害対策

寒冷地では比較的に病虫害の発生は少なく、問題となる病虫害の種類も限られてくる。しかし、被害が大きくなると単収や品質が低下する。寒冷地で問題となりやすい病虫害の主なものは以下の通りである。

主な虫害と防除策

マメシンクイガ

寒冷地で発生が多く、特に低温年に多発する傾向があるので注意が必要である。幼虫が莢の中に侵入して子実を食害するため、大豆の外観が劣化するだけでなく、食害程度が大きくなると播種時の発芽率が悪くなり、ひどいものでは不稔になる。
寒冷地では年間に一世代である。羽化時期は北になるほど発生が早くなる傾向があり、北海道では8 月中旬、東北北部では8 月中下旬、東北南部では8 月下旬- 9 月上旬に羽化盛期となる。この頃に莢に産卵され、7 - 10 日後に幼虫が発生する。
マメシンクイガの抵抗性品種はないが、発生時期を考慮して大豆の品種を選択すると被害が軽減できる。莢に毛茸のない品種の方がマメシンクイガの侵入が少ない傾向があり、また、極早生種や晩生種は中生種より被害が少ないとされている。
大豆を3 年以上連作すると被害が大きくなるため、畑輪作や田畑輪換により密度の低減を図ることが有効である。圃場の排水対策徹底でマメシンクイガの被害が軽減された例もある。

ダイズシストセンチュウ

土壌伝染性の線虫であり、一旦発生すると根絶は困難である。大豆の根に寄生して表面にケシ粒大の黄白色粒子を形成する。寄生を受けた大豆は生育が劣り、葉が黄化する。
ダイズシストセンチュウの抵抗性品種として、ワセスズナリ、ナンブシロメ、リュウホウ、スズカリ、スズユタカ、オクシロメなどがある。大豆の他にアズキやインゲンにも寄生するので、豆科作物が続けて作付けされない体系や田畑輪換を行い、本線虫の密度を下げる耕種法が有効である。

タネバエ・ネキリムシ

幼虫が出芽前の種子や出芽後の幼苗を食害し、発芽不全や幼苗を枯死させたりする。有機物が発する臭気に強く誘引されるので、未熟な有機物の施用や緑肥を鋤込んだ後はしばらく置いてから大豆を播種する必要がある。北海道では緑肥を鋤込んで大豆を播種した直後に、鎮圧ローターを数回かけて足が沈まない程度にまで鎮圧すると、タネバエの被害が軽減し、発芽揃いを高めている例がある。

主な病害と防除策

紫斑病

大豆の葉、茎、莢、種子に発生し、種子の一部または全面が紫色に着色し、外観品質が低下する。降雨により発病が助長される。種子伝染するので罹病種子は完全に取り除くとともに、利用した大豆残さも持ち出して焼却する。大豆以外に、ツルマメ、アズキ、インゲンなどにも感染するので、豆科作物が連作とならない作付体系とする。紫斑病抵抗性品種として、ミヤギシロメ、タチナガハ、エンレイ、すずほのか、すずかおり、ユキシズカ、コスズなどがある。耕種的防除法だけでは限界がある場合、有機JAS 許容農薬である銅剤を、開花14 ~ 28 日後に散布する方法がある。

ウイルス病

ウイルスの種や系統、大豆の品種ごとに病徴が異なり、モザイク病、萎縮病、わい化病などがある。大豆のウイルス病の多くはアブラムシにより伝搬されるので、アブラムシの発生しやすい時期をできるだけ回避し、また、2次伝染の防止のために罹病株は早期に抜き取る。種子伝染もするので罹病株からの採取は避ける。モザイク病に対する抵抗性品種としては、タチユタカ、スズユタカ、すずほのか、里のほほえみなどがある。

収穫・調製

大豆の収穫は、莢の中で子実が転がる音がするくらいまで乾燥させた後に行う。最近ではコンバインで収穫し、その後に乾燥機で乾燥させる生産者が多い。慣行栽培の大豆との混入を避けるため、有機栽培の営農グループでコンバインや乾燥機を共有するケースもある。北海道ではバインダーやビーンハーベスターで収穫後に圃場で積み上げて乾燥(にお積み) させたり、そのまま2 ~ 3日放置した後にピックアップスレッシャーで脱穀することもある。また、疎植で栽培された場合には分枝数が増え着莢位置も下がり、コンバイン収穫には不向きなため、刈払機やバインダーで刈り倒し、その後脱穀機にかけるとよい。また大豆の収穫前に、イヌホウズキやスベリヒユなどの雑草を除去しておかないと、子実の汚損の原因になるので注意を要する。
乾燥機での急激な乾燥は、裂皮やシワの原因になるので、初めに水分含有率を20%から18%に一旦落とし、その後15%程度にと2 段階に分けて乾燥する。

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