有機大豆作の圃場排水対策

大豆は圃場の排水が悪いと根群が浅くなり、根粒菌の活性も低下する。大豆栽培に望ましい圃場は、降雨後の湛水期間が半日以内で、地下水位は40cm 内外である。この水準を超える排水不良地では平畦での栽培は困難であり、圃場の排水対策を強化するほか、高畦栽培を行う必要がある。
転作圃場の排水対策は慣行栽培でも大豆多収化の前提であり、関係機関から多くの情報が提供されている。圃場排水対策を大別すると、毎作ごとに実施が必要な明渠排水や心土破砕または弾丸暗渠と、一旦行えば恒常的に圃場排水が改善される暗渠の敷設や客土等がある。

営農排水対策

耕種管理の一環として行う営農排水対策の方法には、地表水を排水する明渠と地下への浸透を改善する心土破砕や簡易暗渠がある。いずれもトラクターに装着するアタッチメントが開発されているので、大規模な大豆作付時や集落・グループで共同保有すれば経営規模が小さくても利用できる。ただし、同一機械を慣行栽培と有機栽培の両方で使用する場合や、一部圃場でダイズシストセンチュウ等の被害が出ている場合には、土壌汚染が起こらないように、トラクターや作業機の洗浄には特に留意する。

明渠

耕種管理の一環として行う営農排水対策の方法には、地表水を排水する明渠と地下への浸透を改善する心土破砕や簡易暗渠がある。いずれもトラクターに装着するアタッチメントが開発されているので、大規模な大豆作付時や集落・グループで共同保有すれば経営規模が小さくても利用できる。ただし、同一機械を慣行栽培と有機栽培の両方で使用する場合や、一部圃場でダイズシストセンチュウ等の被害が出ている場合には、土壌汚染が起こらないように、トラクターや作業機の洗浄には特に留意する。

心土破砕

転作畑の鋤床や大型トラクター等での作業の圧密により形成された耕盤がある圃場では、これらの緻密層を膨軟にすることで降水時における圃場の縦浸透能力を改善する。作業にはトラクターで牽引するサブソイラ(チゼルプラウ) やパンブレーカ(サブソイラのチゼルに翼を付けて破砕効果を高めている) が用いられる。
鋤床や耕盤は作土層下から数十cmに及ぶこともあり、事前に試抗を掘って深さを確認しておくとよい。心土破砕は5 m程度の間隔で行うが、重粘土壌の場合は間隔を狭め、また震動式のサブソイラの方が効率的である。

弾丸暗渠

弾丸暗渠とは地面に挿した弾丸(モールドレーナ) で土中に水孔を開けて圃場表層の排水を迅速に行わせる方法で、サブソイラの先端に弾丸を付ければ心土破砕と同時に施行できる。弾丸暗渠は圃場内の明渠に排水する必要があるので、圃場内明渠より深くしない。ただし、既に本暗渠が施行されていて、補助暗渠として施行する場合は、本暗渠の疎水材と交叉するような深さに施行する。

圃場整備による排水対策

地下水位が高い圃場では、暗渠排水の施工によって地下への排水を強化する。暗渠排水は地表下60~100cmに埋設したコルゲート管(合成樹脂管) や素焼土管を通して土壌水の排水を行うもので、土壌の浸透性が高い場合は埋設した位置まで地下水位を下げられる。しかし、大豆栽培では開花期以降に水が必要で、乾燥が続く際は灌水が必要になるので、近年、暗渠管を利用して作物の生育に適した地下水位を任意に制御できる機構を持った暗渠システムが考案された。
本システムで田畑輪換が容易になり、水田の畑地化の際には暗渠排水機能を持ち、水田への復元の際には暗渠排水孔の出口を塞いだ上で、地下の暗渠配水管から速やかな入水が可能になる。その際、通常の用水路からの通水とは違い雑草種子の流入を防げるので、特に有機栽培にも適している。

暗渠排水

暗渠排水では地下60~100cm ほどの深さに粗朶木を束ねた物や素焼きの土管等を埋設して排水用の水路とし、それを通じて地表及び地中の余剰水を圃場外の排水路や明渠に導いて排水する方法である。近年はより耐久性が高く作業が容易なPP製のコルゲート管が使わている。排水路に地表の余剰水を集めるために、水路は疎水材と呼ばれる透水性が良く比較的硬くて耐久性のある貝殻や小砂利、籾殻等で埋め戻される。
暗渠排水では地表水の排水に限らず、埋設した深さまで地下水位が下がるので作物の根圏が広がるほか、土壌構造が発達しやすい利点がある。特に、低湿地や中山間地水田等で地下水位が高い圃場では、暗渠排水の敷設による圃場排水が必要になる。

地下灌漑方式による排水対策

地下水位制御システム

暗渠排水で地下水位は下げられるが、大豆作では開花期以降の生育・降雨の状況に応じて灌水が必要になる。灌水を暗渠排水側から入水する発想は以前からあったが、暗渠管内に泥・土砂が堆積するなど問題があり、実用化していなかった。
(独)農研機構農村工学研究所と株式会社パディ研究所が開発した「地下水位制御システム」(FOEAS) は、暗渠を地下水位を下げる機能だけでなく灌水にも使う発想を具体化した工法で、水田を水稲にも畑作物にも利用していく上で有用な技術として普及が始まっている。FOEASは従来の排水一方だった暗渠排水の両端に入水用と排水用の枡を設置し、管内への泥・土砂の流入・堆積を防ぐ構造を持つ。本法では畑作利用時は暗渠排水と同様に埋設したコルゲート管の深さまで、稲作時は水深20cmまで地下水位を任意に変えることが可能である。本法の特徴、施工や利用法については以下のサイトが参考になる。
農研機構中央農業総合研究センター

地下かんがい普及会による地下水位調整システム

福士武造氏(青森県) が考案した地下水位調整システムは、FOEASと同様に地下水位を60~0cm、地上水を15 ㎝まで無段階に調整でき、水田の畑利用や稲作田への復元を容易に行うことができる。本システムでは水田を囲むように外周の畦畔に沿って暗渠管を敷設するため、隣接水田からの漏水を防ぐことも可能である。また、入水枡と排水枡を無孔コルゲート管で繋いで両端から入水するので、灌水効率が高い形状になっている。本法の特徴は疎水材や資材の入手を地域でできれば、コルゲート管の接続等でややコツを要するが、農家自らの施行が可能で、その分施工経費を安くできる。

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