有機大豆作の収穫・乾燥・調製

収穫の時期と方法

大豆は成熟期になると茎葉が落葉するので、圃場の大半が落葉した以降に収穫が可能になる。この頃になると子実が乾燥して収縮して硬化するので、莢を振ると莢の中で子実が転がる音がするようになる。それを過ぎると、大豆は自然に莢が割れて子実が落下したり、皮切れや品質低下が起こるので、そうなる前までの約7~10 日間が収穫の適期である。
大豆の収穫は、小面積では手刈りが行われるが、通常はバインダーやビーンハーベスタ、コンバイン等が使用される。手刈りや刈取機等で刈り取った大豆は、圃場で予備乾燥して子実水分を調整した後に、ビーンスレッシャー等を使用して脱穀(脱粒) する。コンバイン収穫では刈り取りと脱粒が一工程で済むので、作付面積が大きい場合には省力化が図れるが、乾燥機等の施設が必要になる。
また、有機栽培では特に多汁質のイヌホウズキやスベリヒユ、イヌビユ等の残草が多い場合には、汚粒の原因となるため、例年生育後期の雑草が多い圃場ではビーンハーベスタ等での収穫の方が無難である。
収穫機械は高価な上に構造が複雑なため、有機栽培、とりわけ有機JAS格付品の出荷に際しては、慣行大豆の混入がないよう細心の注意を払わなければならない。そのため、有機栽培用の専用機を共同で保有するなどの工夫をしている事例もある。
なお、一般市場で流通させる場合には、選粒機で調製して異物や被害粒を除き、規格に基づく粒径による選別を行う。

大豆刈取機による収穫

有機大豆作では、特定の需要先との契約や自家加工用などの用途で、小規模な作付けが行われれることもあり、また、設備投資を小さく抑えたい場合もある。このような場合には、ビーンハーベスタ-やバインダーによる刈取りが効率的である。有機栽培では品種や栽植密度によって分枝が多い場合や着莢位置が低いことが多いため、作付面積が大きい場合でもビーンハーベスター等を使用している例が見られる。
ビーンハーベスターによる刈取りの適期は莢水分が20%程度になった頃が目安とされる。それ以下の水分では裂莢による損失が増加する。ただし、莢水分は1 日の中でも変化するので、20%を下回ってしまった場合は朝夕や曇天日を選んで収穫作業を行うようにする。
刈り取った大豆は数日間地干しした後に、10 日~2 週間程度にお積みして予備乾燥を行う。脱穀は子実水分が18%以下(子実に爪痕が少し残る程度) になったら可能であり、ビーンスレッシャーや大豆脱穀機等で脱粒を行う。ビーンスレッシャーは大豆を茎ごと処理するので作業効率が高いが、小規模な作付者は設備投資が少なくてすむ大豆脱穀機を利用してもよい。
ビーンハーベスタによる収穫は、地干しやにお積み期間中に長期間の雨に当てるとしわ粒やカビ粒発生の原因になるほか、紫斑病の発生も増加するので、雨に当てないように注意する。
脱穀後は仕上げ乾燥を行う。仕上げ乾燥はムシロなどを敷いて干し、水分15%に仕上げる。乾燥機を使う場合には、温風は避け通風で乾燥させる。

コンバインによる収穫と乾燥

コンバインは刈取りと脱粒を同時に行うため、大豆の茎水分が高い状態では茎から出る汁が汚粒の原因となる。そのため作業に先立って水分の高い青立ち株等を取り除いておく必要がある。
コンバイン収穫に適した茎水分は40~50%以下と言われ、その程度に乾燥すると、茎は手でポキッと折れるようになる。茎の色によっておよその水分が判別できると言われ、茎に緑色が残っている状態では水分70%、茎が莢と同色の褐色になると60%、茎が黒色を帯びる頃が50%とされているので、作業時期の目安にする。収穫時期は、子実の水分が15~18%程度まで下がった頃に行うが、収穫する時間は天気のよい乾燥した日を選び、陽の高いうち(10:00~16:00) に行うことが望ましい。
収穫に使用されるコンバインには普通型と汎用型 があり、前者の場合大豆中心の小型コンバインにもいろいろなタイプがある。
コンバイン収穫は刈取り損失が問題となるほか、刈取りに際しての土の巻き込みによる汚粒の発生が問題となるが、作業時間は20 分~60 分/10a と短いので、大規模作付けに適している。収穫した大豆は目標水分を15%として、循環乾燥機を用いる場合は、水分18%までは通風のみで乾燥させる。また循環速度は遅くした方が大豆の破損が少ない。静置型乾燥機では送付温度を30℃以下にして乾燥させる。

引用文献

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大豆の乾燥
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